■ 過去の推薦盤(3)
Chet Baker Quartet Live pacific This Time The Dream’s On Me Volume1
/Chet Baker Quartet Live pacific

チェット・ベーカー(trumpet)
ラス・フリーマン(piano)
カールソン・スミス(bass)
ラリー・バンカー(1〜5drums)他はボブ・ニード(drums)
  1. All The Things You Are
  2. Isn’t It Romantic
  3. Maid In Mexico
  4. My Funny valentine
  5. This Time The dream’s On Me
  6. Introduction
  7. Line For Lions
  8. Lover Man
  9. My Funny Valentine
  10. Maid In Mexico
  11. Stella By Starlight
  12. My Old Flame
  13. Headline
  14. Russ Job
1.〜5. 1953年12月ロスアンジェルスのカールトンシアターで録音。
6.〜14.1954年3月9日Masonic Temple, Ann Arborで録音。
チェット・ベーカーが彼自身のリーダーとなるグループで活躍し始めたのは、ジェ リー・マリガン・カルテットが1953年6月に解散するより前の1952年後半からになり ます。 従って、このアルバムはツアーにおける2つのライブショウを通じて、彼の若々しい 才能が 今まさに花開かんとする当時の貴重なレコードが収められていることになり ます。 1953年と言えば、朝鮮戦争が終わり、NHKの本放送が始まった年です。前年の1952年4 月28日、連合軍による占領が終わり、対日平和条約と日米安全保障条約が成立してい ます。朝鮮戦争による特需をきっかけに、日本経済は潤い、1955年からの世界的好況 にも助けられ、輸出が急増し、アジア太平洋戦争の敗戦からわずか20年で日本は経済 大国に発展したわけですが、この間日本人独自の確固たる哲学と思想を育てることが できませんでした。 どんなシステムもそうですが、出発点に正しい基本理念がないままに欺瞞と辻褄あわ せを重ねていけば、いつか大きな綻びが生じてくるものです。今我々に求められてい るものは、より多くの国民が幸せになるためには、何が大切で、何が本当に価値ある ものなのか、原点に返って議論することではないでしょうか?真の才能とミュージ シャンシップに満ち溢れた、若きチェット・ベーカーを聴きながら社会の幸福につい て考え込んでしまいました。
jazz records 25248 /7243 5 25248 2 2

Chie Ayado Chie Ayado For All We Know

Chie Ayado; VOCAL, PIANO
Mikio Masuda; Piano, HAMMOND B-3 ORGAN
Yoshio Suzuki; BASS
Tsutomu Okada; BASS
Motohiko Hino; DRUMS
Kazumasa Akiyama; GUITAR

綾戸智絵を初めて聴いたとき、こんなにエネルギッシュで、歌心のあるボーカリスト がデビューしていたのかと驚きました。ましてやメジャーになったのが40歳過ぎ、離 婚、2度の乳癌の手術を乗り越え魂に訴えかけ続ける彼女は、その生きる姿勢が女性 の共感を呼び、今や綾戸智絵のライブはもっとも確保しにくいチケットになっている そうです。シドニーオリンピックでも感じましたが、日本女性は本当にパワフルで生 き生きとしています。21世紀は女性の時代になるのは間違いないでしょう。男子諸 君、明日からはスカートをはきましょう。
EWCD 0005

宮地 傑 ウェザー・アイズ/宮地 傑
SUGURU MIYAJI/THE WHEATHER EYES

着想力のあるテーマ、才能のきらめきを感じさせるインプロビゼーション、若々し現在のジャズシーンを示唆してくれるCD。現在進行形の日本のジャズシーンを知りたい方には、一聴の価値があります。
KICJ394 Paddle Wheel

hans ulrik hans ulrik/JAZZ AND MANBO

「人生には少しばかりの楽しみが必要だ。」ガーシュインのLove is here to stayがオープニングに仕込まれているこのアルバムは、おだやかな昼下がりの木陰のように、聴くものの大脳辺縁系を癒してくれます。ストレスフルな情報社会に翻弄されるあなたに、ほんのりとした癒し系の逸品をお勧めします。
stucd 19818

MILES DAVIS 死刑台のエレベーター 完全版/マイルス・デイヴィス
マーキュリー24ビット・リマスターコレクション
  • マイルス・デイヴィス(tp)
  • バルネ・ウィラン(ts)
  • ルネ・ユルトルジュ(p)
  • ピエール・ミシェロ(b)
  • ケニー・クラーク(ds)

最近、旧盤のリメイクが続いていますが、昔懐かしい「死刑台のエレベーター」がメイキング過程の16曲を加えた完全版として発売されました。原盤は映画『死刑台のエレベーター』(1958年公開、監督ルイ・マル、主演ジャンヌ・モロー)のサントラ盤です。アルバムには、レコーディングセッションで、マイルスがジャンヌ・モローの耳元にミュートを挿入したトランペットを押し付けている写真が載っていますが、モローの美しさは特筆ものです。現代の映画シーンでも充分に通用するのではないでしょうか?

話は横に逸れましたが、殺人を犯したジュリアンがエレベーターの中に閉じ込められてしまう場面で使われる「エレベーターの中のジュリアン」がやはり出色です。焦燥感と絶望を、マイルスのどこか突き放したような虚無的なハイトーンが冴え冴えと歌い上げ、人間が、またそれを包む地球でさえも、真空の宇宙をあてもなく漂流しているような、絶対的な孤独がイメージされて仕方ありません。

PHCE-4181

COMPACTJazz Compact JAZZ SARAH VAUGHAN
Featuring/Clifford Brown/Quincy Jones/Zoot Sims/
Roy Haynes/The Count Basie Orchestra

言い訳になりますが、今月は新譜を紹介する予定で、Jimmy Scottの新作や、ボサノバものやスティーブ・キューンのアルバムを用意して原稿を書き始めていたのですが、ちょっとした隙に、ふと耳に入ってきたFMに、サラ・ボーンのLOVER MANがかかっていたのでした。疲れているのでしょうか?ついふらふらと聞きほれてしまった自分に気がつき、急遽紹介アルバムを書き変えてしまいました。ストリングスが入っていようとなかろうと良いものは良いと、ただ納得している昨今です。How High The Moonのスリルのあるスキャットはバイアグラよりも効きます。でもエラ・フィッツジェラルドのHow HighThe Moonに負けているのは仕方ありません。
830 699-2 MERCURY