4曲目の “Anytime, anywhere”は、映画「ブレードランナー」の中で、美しいレプリカントがクリスタルガラスの塔を共鳴させながら絶唱する姿を思い起こさせ、未来的、宇宙的なある種の到達感と開放感を感じさせます。あらゆる束縛から放たれて蒼穹を自由に駆け巡る、閃光のような、あるいは封じ込めなければならない暗い記憶のような、説得力のあるイメージが聴く者を圧倒します。
7曲目の“Dans La Nuit”も懐かしさが心に染み込み、しっとりとした情感がどこまでも不安や憂愁を消し去ってくれます。
9曲目“O Mio Babbino Caro”の圧倒する力と至高のアリア。
どの楽曲も創造性に満ち、期待を裏切りません。クラシックという枠組みをはるかに凌駕し、新鮮な感動を与えるアルバムであり、誰もが納得する本年必聴の推薦盤ではないでしょうか。